AlibabaのRFQを使って、中国の工場からシートメタル (板金)製作を頼んでみた

Alibabaを使って板金(sheet metal)製作のお願いをしてみました。

Alibabaには中国のサプライヤーがたくさん登録してあって、製作を頼むには非常に便利なサイトです。
メタルシートに関わらず、CNCや3DプリントなどAlibabaを通して頼むことが実はできます。
また値段も中国なだけあって、破格の値段でやってくれるところもあります。ただし、製品のクオリティーやデリバリーの安全性、スケジュールなどの正確性は期待できないので、ちゃんと販売するような物を依頼するときは、それをちゃんと販売する仕組みを考えてから行うなど配慮が必要と思います。
ただ今回のように個人で使用する用途でお願いする場合などは、それほど高い要求をしないので、非常にありがたい仕組みであると思います。なので、これを使わない手はありません。
実際に上の板金(300 x 200 x 200)の箱を作るのに、なんと$20以下で頼めています。しかもMOQは1個ですw 日本で見積もりを頼んだ時は、1万円以上でした。むしろこれくらいが妥当な価格なのですが、それが$20以下になっちゃうのが中国の凄いところです。

調べてみると日本でAlibabaを使って製作している人の記事が少なそうなのと、自分も板金を頼んだことがなかったので、価格とどれくらいの物ができるのかを確かめてみたく今回実験的に使ってみました。

Alibabaで依頼する方法は大きく二つ

1.  自分(バイヤー) で検索して良さげな工場(サプライヤー)を探す
2. 自分(バイヤー)でRFQを出して、やってくれそうなところ(サプライヤー)から連絡をもらって、選定する

ここで、バイヤーとサプライヤーと記載したのは、AlibabaのRFQのマニュアルをわかりやすく読めるようにです。ちゃんと頼むならマニュアルがあるので、読みましょう。日本語が上手なおねいさんが説明してくれます。(かなり日本語うまい。。動画は限定公開しているようでここでしかみれません笑)

自分は今回、2のRFQを出す方法で行いました。RFQというのは、Request For Quotationの略で、要は、見積もり依頼です。自分(バイヤー)はこんなものを作って欲しいですが、いくらでできますかね?という依頼書です。これがAlibabaで登録されているサプライヤーが見れるようになっており、お、これいけそうだってなったら、俺(サプライヤー)はこんな値段でお前の作ってやるぜ!というメッセージやQuote(値段と数量)が来ます。これが良ければお金を払って作ってもらうという流れになります。

実は上の紹介したマニュアルはサプライヤー目線で書いてあって、バイヤー目線ではあまり情報がありません。ただ、サプライヤーがどうやって自分が出したRFQに反応しているかもわかるので、それを知った上でRFQ以降のやり取りをするのがスムーズかと思います。RFQの内容もどうのような目線で書けば良いかも参考になるかと思います。

それで、実際にRFQを出して、工場を選定してお金を払って、できたのが上の写真です。組み上げると下の写真のような箱ができます。

正直言って、値段が安いので、あまり期待してませんでした。下手したら、穴がないとか、塗装がされてないとか、そういうのを覚悟していました。穴とか塗装がないなら、自分でやればいいかと考えていましたが、それを軽く超えてきましたw。 やっぱりなんとなく中国をなめているのでしょうね。よくないですね。正直に中国のレベルを認めないと、痛い目に合いそうです。。。。。中国すげー!w  ビンドゥンドゥンサイコー笑

上の写真は製造後に確認でもらった写真なので、実際の物が来たらここにレビューを書きます。

それで、本題のAlibabaでRFQを使って依頼する方法を記載します。ところどころコツがありそうです。Alibabaのサイトもちょっとわかりづらいです。なので、その辺りも含めてメモります。

サイトのアカウント登録は省きます。すでにアカウントを持っている状態からになります。(Aliexpressを使っているならそのアカウントでいけるはずですが、試していません。自分はAliexpressと別のアカウントを作ってしまったので、Alibabaと使い分けています)

では、早速いきましょう。

Alibabaのサイトに行くと、My Alibabaのホーム画面は以下のようになります。

すでにここから、RFQを要求する画面に行くのがまずわかりづらいですね。

左のメニューの”Buying Leads”  > “My RFQs” に行きます。

画面が表示できたら、”+ Post an RFQ “をクリックします。

すると以下の入力画面に遷移します。

ここに必要な要求等を入力してSubmitしたら終わりです。

簡単でしょう笑。

実はこのRFQの入力が難しいというか、ちょっと関門になります。専門であれば、簡単かもしれませんが、例えば板金のことを知らない場合は、おそらくここのSubmitができない、もしくは失敗します。

AlibabaのRFQはある程度の要求がしっかり書かれていないとSubmit自体ができないような仕組みなっています。画面右側に”Poor”とか書いてあるのが、そのレベルです。情報を入力していくとこれがGreatになり、それでやっとSubmitができるようになります。

ここで100点を取る必要ありません。最低限書かれていれば、あとはRFQサブミット後にメッセージきた工場とやりとりする中で要求を伝えても問題ありません。なので、ここは最低限、RFQをサブミットするために必要な情報だけ入れれば良いということです。ただ、ここの情報が完璧であれば、RFQ後のやりとりはスムーズになると思いますので、それなりに情報を入れるようにしましょう。

実際に作りたい製品によって、入力する情報が変わりますが、板金を頼む上で私が入れた情報を暴露しておきます。つまり入力してつまづいたら以下の情報を入れれば、RFQはGreatになって、サブミットできるはずです。以下の太字が入力した情報です。カッコ内は日本語の説明を記載

-Product Name(製品名) : Metal Sheet Fabrication – silence vacuum box -
-Category(カテゴリー):  Sheet Metal Fabrication
-Sourcing Type(使用用途):  Non-customized Product
-Sourcing Purpose(使用目的):  Personal Use
-Quantity(数量):  1 Piece/Pieces
-Trade Terms:(支払い方法 ここではなんでも良いです。結局発送方法と支払いは別途相談できます)  FOB

-Details
Material(材料): SPCC
Color(色): Black
Thickness(板厚): 2mm
Surface Finish(表面処理): Powder coat black with fine sand texture
Tolerance(精度): No tighter tolerances required (ISO 2768-1)
No Welding(溶接処理は必要なし)
Tap Threads are needed (See attached step file) (ネジ穴が必要です。詳しくは添付のstepをみてください)

入力は以上です。

後、ファイルを添付する必要があります。どんなファイルも受け付けているようです。自分は、3Dデータ(stepファイル)と2Dの図面データをアップしました。(念の為圧縮してzipにしました)

図面に必要なデータはfusion360で作りました。fusion360のメタルシートは本当に使いやすい。


全て情報が揃えば、RFQのステータスは” Great “となって、一番下にSubmitボタンが出てきますので、それを行い終わりです。

無事にサブミットされると一気にサプライヤーから問い合わせが来ます笑 凄い数来ますので、メッセージを見るのが大変です。そこで、私は以下の方法で選別&管理をしました。

-すぐに値段の見積もりをくれてさらに安い価格のサプライヤ (緑)
-すぐに値段の見積もりをくれたが、ちょい高い価格のサプライヤ (青)

上記の緑と青でマークしました。マークする方法はメッセージの画面で行えます。メッセージの横にある四角マークの上で右クリックでできます。メッセージの削除もこれで行えます

色分けするとメッセージ欄の横に色が付きますので見やすくなります。また、ピン留もできるので、良さそうなサプライヤーはピン留めしておくとメッセージの一番上に固定されて見やすいです。(サプライヤー情報は都合上隠しています)

ここで、サプライヤーとやりとりする上でいくつかポイントです。

- 日本への発送は、自宅まで可能か?
- 支払いはAlibaba Store Paymentで行えるか?
- 発送前に製品の写真を見らえるか?
- (念の為の確認) RFQに記載した条件での見積もりなのか?

これらは最低限確認しておきましょう。言わなくてもやってくれるところはいいサプライヤーです。

まず、日本への発送を自宅まで発送可能かを確認するのは、サプライヤーによっては、日本の港までは送るけど、そこからはバイヤーでなんとかしてねというパターンもあるからです。送料は安いですが、結局、近くの港まで取りに行かないといけないのと関税など面倒な処理もやらないとなので、個人ではやりたくない作業でしょう。なので、確認しておきます。

支払いに関しては、一番楽なのは、Alibaba Store Payに対応しているのが良いです。クレカもPaypalも使えるので。(手数料が追加でかかります)

メッセージのやりとり上に支払いのリンクが送られてきて、それをクリックすると支払いもできます。

製品の写真はこの記事のトップに貼り付けた写真です。こんなのが見れれば比較的安心して頼むことが可能です。

写真があれば、RFQ記載の条件を確認する必要はないかもしれませんが、作る前に確認しておいたほうがいいでしょうね。例えば、この穴はネジ穴で作っていますかとか、表面処理は?とか。

お願いしたサプライヤーはすごくよく対応してくれました。以下のような梱包の写真も送ってくれました。

梱包がごつい。。。けどしっかり梱包してくれそうです。この箱だけでもそれなりに高いはずなのに。。その料金は入ってない。。

後、今回は箱を作るためにTOPとBOTTOMを分けてオーダーしていたのですが、気をきかせてくれたのか、TOPとBOTTOMがちゃんとハマるかも動画でわざわざ送ってくれました! もう最高でした。

上記の確認ができましたら、支払いをして終わりです。気長に待ちましょう。

最後に時系列ではこんな感じです。

2022年 2月18日 RFQをサブミット、サプライヤーから大量のメッセージ
2022年 2月23日 本命サプライヤーを選ぶ+ ここまでいろんなサプライヤーとのやりとり期間、初期の支払い完了
2022年 2月25日 製品の写真が送られてくる (実質2日で作ってくれた。。)
2022年 2月26日 製品発送
2022年 3月26日 到着予定

後日に実物が届きましたらレビューを追加します。

[更新3月26日] 物が到着しました。

バッチリでした!!これは使えるね!

再び依頼してみました。

Alibaba経由で再び板金加工を中国の会社に依頼

4件のコメント »

  1. 大変貴重な経験談を詳しく掲載しておられ、大変参考になります。
    わたしも、こちらの内容を元に、ワンオフパーツの制作依頼、購入にチャレンジしております、
    送料は、いくらくらいが妥当なのでしょうか?
    こちはのパーツ輸入では、いくらかかったのでしょうか?参考にささていただきたく、宜しくお願いします

    Comment by よし — 2023/01/13 @ 06:24

  2. コメントありがとうございます。
    ぜひ試してみてください!送料込みでトータル$70くらいだったと思います。

    Comment by toucyy — 2023/01/13 @ 08:25

  3. [...] 前回、AlibabaのRFQを使用して板金加工の依頼を行いました。 [...]

    ピンバック by Alibaba経由で再び板金加工を中国の会社に依頼 | Analogfeeder — 2023/07/06 @ 21:29

  4. この簡潔な解説のおかげでやっとRFQが承認されました。ジャンクで落札したブラザーの複合機のタッチパネルだけなんですが、パーツナンバーは判ったものの入手できそうなサイトが実はEU圏内限定だったり、aliexpressでは操作パネルごとの出品で、しかも適合しそうだったのに値段で日和って売られてしまった後だったり。
    厳密に採寸した画像を付けてRFQを登録してみたら「Brotherというワードはダメ」だったりでプチプチ直しても「1枚だけ?ダメ~」となって諦めてたのですが、半日たって別の出品者とのメッセージを見にログインし、RFQ一覧を見たら一番上がApprovedに。
    これで在庫がないのに操作パネルの写真を載せてるだけの出品者とおさらばできるといいなあ、です。あとはこちらで拝見しましたヒントを元に交渉、ですね。

    Comment by wiskij — 2023/10/18 @ 01:24

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