レコードを再生するアンプPhono Eqの検証

今の時代にレコードを好んで聴く人は少ないかもしれませんが、最近では、僅かながらレコードの売上も上がったりしていて、完全にはなくならないメディアだと思います。レコードの音やジャケットデザインなど総合的にみたときに楽しむという観点からもレコードの必要性はあると考えています。

そんな中でレコードを聴くということはレコードには波形が刻まれていて、その刻まれた波形をレコード針がトレースすることで音がなります。厳密には、針の振動が磁石を振動させてそれが電気信号になって音になります。以下はレコードの溝を1000倍拡大したものです。

これだとなんだか分かりづらいですね。しかしこの溝が波形そのものなのです。

このレコード溝は何も刻まれていないレコードに録音した音源を再生し、カッティング針を振動させ、刻むことで作られます。しかし、そのレコードをスピーカーからならすにはちょっとした細工をしないといけません。
レコードを刻むときに低音はどうしても刻みにくいという特性があります。そのため、元の音源の低音のレベルを低くし、逆に高音を高めにして刻みます。
なので、このように刻まれたレコードをそのまま再生した場合、当たり前ですが低音がすかすかの音に聴こえます。
正しく再生をするにはその低くなった低音と高い高音を元に戻す作業が必要になります。それをRIAA特性と言います。

(via wikipedia )

横軸が周波数、縦軸が音の大きさを示しています。
赤の実線がそのRIAA特性、青の点線がカッティングするときの逆RIAA特性といいます。赤と青を足し合わせるとフラットになるのが予想できます。つまり再生されるときにはフラットになるということを意味します。

今回は、RIAA特性をシミュレーションと実機で実際に確認をしてみます。
製作したボード ” Penguin PhonoEQ “ と自宅にあるDJ Mixerの ” Xone 62 “ との特性を実際に比較してみました。


RIAA特性を得るための回路が以下になります。これはフォノイコライザーとかフォノアンプという名前で市販でも売られていますが、回路の値はそれぞれ違ったりすることもありますが、同じRIAA特性が得られるはずです。

使用するオペアンプは一般的な8ピンのオペアンプでRSコンポーネンツで購入可能です。

これをシミュレーションして実際にRIAA特性になっているか見てみます。ソフトウェアにはフリーの回路シミュレーションソフト ” LTspice ” を使用しました。LTspiceの使用方法等を纏めた記事は以下に記載します。また使用した回路のファイルもダウンロード可能です。
Penguin_PhonoEQ_freq.asc
Let simulate circuit by LTspice !構築中

見事にRIAA特性になっていますね。重要な部分はR3、R8、C3, C4の部分です。この抵抗とコンデンサによって帯域を調整しています。機会があれば、実際に値を変えたりして確認してみてください。

次に xone 62 の周波数特性を実測してみました。使用ソフトウェアは国産のフリーソフト Wave Spectra を使用しました。
測定方法は以下に詳細がありますが、入力信号の周波数をスイープさせるために姉妹ソフト Wave Geneも使用しました。
WaveSpectraを用いた周波数特性の測定について

以下はxone 62の周波数特性になります。

高音域がすこしノイジーですが、RIAA特性になっていることが確認できます。

つぎはPenguin PhonoEQの周波数特性を実測した結果です。

おお、かなりいい感じです。xone62にあったノイジーな部分もなく、きれいなRIAA特性になっていますね。

実際に xone 62と Penguin PhonoEQとを聴き比べましたが違いはほとんど感じずに、生音系、シンセ系、グリッチ系とを確認しましたが、低音から高音にかけていい音がでていました。

測定環境になりますが、オーディオインターフェースにFIREBOXを使用しました。

こういう測定では、オーディオインタフェースの周波数特性も影響するので、念のため確認をしてみたところ以下のようにフラットな特性を得ることができています。FIREBOXもなかなかいいものであると再確認。。

以上、なかなか音っていうのは耳だけでは判断しにくい部分があったりしますよね。なので、このように視覚、聴覚両方で確認することで今の音が確かなものなのかを判断するのも方法として知っといて損はないと思います。

実際に自宅のスタジオのサウンドシステムやクラブのサウンドシステムなどで検証するときのも使用できそうです。(実際にクラブでやってみたいという気持ちも。。)

2015年2月27日追記

こちらの記事にも同様のテストを記載

1件のコメント »

  1. [...] LTspiceでPhonoEQをシミュレーションした結果はこちらにあります。 [...]

    ピンバック by LTspice IVがMACに対応 !! | Analogfeeder — 2013/12/20 @ 01:21

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